Regulus

獅子秘書置き場

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

慌しい朝

目覚ましが鳴る前に起きたのは久しぶりだった。「んー…」伸びをしながらベッドヘッドに置いてある目覚まし時計に手を伸ばすと、その途中で見えたのはアンドリューの寝顔。眠りが浅かったこともあり俺より早く起きるのが常だったのに、最近はこういうことも少…

father

レオナが帰ってから数ヵ月後、約1年ぶりにライアンの実家へ来た。 年中気候が穏やかなこの土地の空気は2回目でもやはり気持ちがよく、身体に馴染んでいくのが分かる。「うっわ、なんだこれどした!?」家に入る前に庭を覗いたライアンが大声を上げた。「ア…

loving

珍しく俺のが先に起きてしまった朝。ベッドの上で目を開けて隣のアンドリューを見ると、規則正しい呼吸でややうつ伏せ気味に寝ている。銀の睫に縁取られた瞳は閉じられたまま、サラサラとした銀髪は鼻筋に流れ、少し開いた唇が微かに動く。元々顔は好みだが…

magic

※ライアンがライオン 「アンディー腹へった」ガウガウと獣と人間の言葉を話すライアンは見た目少し大きな猫、もといライオンだ。訳あって俺の家で面倒を見ているが、暴れたりも噛んだりもしないから猛獣とは思えない。ただ少し俺様なところがあるくらいだが…

蟹ドン

※ジャスティスデー前に付き合ってるライヴィル 「ライアンッ」「もう仕事終わっただろ」終業の時間は確かに過ぎた。だがそんなタイミングよく毎日終われるものでもない。特に秘書の立場にいる俺は自分のこと以外にもやることがある。「俺は、まだ終わってま…

独占欲

R

「ぅ…っ」抑えられなかった声が口から零れ、それに耐えられないというように瞳が強く閉じられる。欲と涙で濡れた金の眼で俺だけを映す瞬間がゾクゾクするくらい好きなのに、今日はまだそれが見れない。「なぁ、目、開けろよ」言うと薄らと開けてはくれるが、…

キスの日

誰が決めたか、今日はキスの日らしい。並んで座って同じニュースを見てるはずなのに、アンドリューは無関心だ。「アンディ、キス好き?」唐突過ぎるかと思ったが、聞いてみた。「何ですか、突然」予想通りの返答に小さく笑いがこみ上げる。「ちょっと聞いて…

sister

「ハーイ、アンドリュー。お久しぶり」到着ロビーで待つアンドリューの前に現れたのは、ライアンの姉レオナ・ゴールドスミス。まるでモデルのようなスタイルとセンスよくコーディネイトされた服で、それはそれは周囲の視線を集めている。「ご無沙汰していま…

Good night

帰りのフライトは悪天候で半日遅れた。夕飯も一緒に食べれないまま、日付が変わる直前に静かに玄関を開く。もし寝入っているなら起こしたくはない。「…ただいまー」玄関から見えるリビングに明かりはついていない。もう寝ているだろうか。うっすら明かりが点…

「俺アンタの手が好き」「手、ですか?」思わず自分の片手を持ち上げてじっと眺める。至って普通の手だとは自分では思うのだが。「自分で見たって分かるわけねーだろ。俺が見るからいいんだよ」「はぁ」横から俺の片手を奪うように握って、両手でにぎにぎと…

Selfish

R

「う、…ぁっ」筋が浮き立っている手でシーツを握り締めるアンドリューの顔は、背中から覆いかぶさっているこの体勢ではほとんど見えない。どんな顔をしているのか、想像するだけでも下半身に熱が集まり、その熱をダイレクトに感じ取ったアンドリューの口から…

5/18 東京グラキス無配

「ちょっと、あれゴールデンライアンじゃない?」アポロンメディアに居た頃のスーツならともかく、昔と同じように顔バレしてヒーローをしている現在、声をかけられることも少なくない。いい天気の祝日、街は家族連れやカップル、若い女の子達で溢れかえって…

tactics

多ければ毎日、少なくとも三日に一回は触れてきていたライアンが、ここ一週間めっきり触れてこない。夜だって一緒のベッドにはいるが、いるだけで、それ以上は何もない。飽きられただろうか、などと今更不安に陥るほど乙女思考は持ち合わせていないのでさっ…

kisses

寝つきの良い彼は、直前まで眠たくないと言っていてもベッドに入ればだいたいすぐに寝てしまう。それが当たり前のようになってきた今、毎回俺は彼の寝顔を見ているのだけれど、今日はいつにもまして無防備な顔で寝ているものだから、思わず、鼻筋にキスをし…

sleep

次の契約相手の元へライアンが旅立って3日。内容の確認、及び手続きだけだからと、イグアナの世話もあるし俺は留守番だ。「…ふぅ」やっと触れるようになったイグアナを水槽から出してその存在を気にしつつもリビングで一息つくとタイミングよく着信が。「は…

ごほうび

「終わった…」もう少しで報告書が終わる。そんな時にデータが飛んで暫し絶望した後、必死でやりなおして終わった現在、空は白んで小鳥の声が聞こえる。心配してくれるのは嬉しいが、周りでウロウロするライアンが邪魔で、冷たい言葉を投げて先に寝かせた。い…

バスタイム

OKがもらえるのはかなりの低確率だが、一緒に風呂に入れる時は色々と夢が膨らむのは男として仕方ない。最初から邪魔な服も無く露出する肌。声が響きやすい密室。汚れることだって気にしなくていい。完璧じゃねーの!だってのに。「そろそろ出ませんか…」ゆ…

微睡む

シャワーなり湯船に浸かるなり、ライアンはバスタイムが長い。悪いことではないのだが、風呂の中で一体何をしてそんなに時間がかかるのか、自分からしてみれば全く想像出来ないから不思議だ。今日も今日とて、バスタイムを満喫したライアンは、ほぼ全裸でソ…

tire

「疲れてるよな」「疲れてません」この応酬をしてすでに数回。全く折れようとしない恋人に対して、強行手段に出ることにした。「何するんですか、離しッ」肩に担ぎ上げてベッドまで行き放り投げると、体勢を立て直す前に組み敷いて動きを封じ、耳元に近づけ…

背中

朝でも夜でもその背中に見惚れる。いつも着替える時は背中を向けられるが、アンドリューは分かってない、俺がその背中を穴が開くほど毎回眺めていることを。適度に筋肉が付いた首から肩、そして肩甲骨の間から伸びる腰へのライン、その両脇の引き締まり具合…

ゴール

分からないことがある。「俺どうしてあなたが好きなんでしょうね」「…それ俺に聞く?」肩を落とす素振りをするものの、本当はショックを受けていないということが表情から見てとれる。それと、「俺のこの反応であなたが満足しているのか」分からない。「好き…

強く

弛緩した身体でアンドリューの脇に寝転がる。最低限まで照明を落とした部屋のベッドで、胸を上下させて必死に酸素を吸うアンドリューの顔をうつ伏せになった体制から見やると「ずる、い…」聞こえた単語。「いつも、ライアン、ばかり、俺を見てる」息を整えな…