Regulus

獅子秘書置き場

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Recharge

アンドリューが風呂から上がってきたら後は寝るだけ、という夜もいい時間。カチャリとドアの開く音がして、ペタペタと静かな足音が聞こえた後、ベッドルームに行くのだろうと予想し、点けていたテレビを消して後へ続こうとソファから立ち上がった直後、アン…

鼻梁

整った鼻筋にキスをする。一回、二回、三回。ずれた眼鏡を一度外して再度かけなおそうとする手を握って動きを封じると、いつもは邪魔なガラスに遮られている瞳をクリアに見れることに少し充足感を得るがまだ足りない。薄く開いた唇に早くたどり着きたい気持…

yogurt

「おはよ、アンディ」少し遅れて起きた俺がリビングへ足を踏み入れると、ソファに座ってテレビを見ているライアンから振り返って声がかけられた。「おはようございます。…すみません、今朝は俺の担当でしたね」時と場合にもよるが、一緒に住み始めてから朝晩…

はむ、とそんな音がしたと思ったら耳を甘噛みされた。今の俺の状況はベッドでアンドリューに押し倒されて、上を全部脱がされた状態。ジュニア君から送られてきたという酒だから、飲みすぎないことを条件に久しぶりに許可したらコレだ。普段飲ませないように…

長時間タブレットと対面していて一区切りついたのか吐き出された小さな息を聞いて視線をそちらへ向ける。眼鏡を外して眉間を指で揉んでいるから、目のマッサージでもしているのだろう。自分用に淹れていたコーヒーをもう1つカップに注いで、ダイニングテー…

「前髪下ろすと別人に見える」そう伝えたのは、かなり最初の頃だった記憶がある。風呂上り、ベッドの中、そして翌朝目覚めた時。落ちてこないよう、いつもサングラスで留めるようにしてる前髪が下りていると、どうしても一瞬怯んでしまう。「さすがにもう慣…

細くてサラサラに見えて意外にしっかりしてる銀髪に指を通して感触を楽しむ。少し伸びたそれをこうして弄ぶのが最近のお気に入りだ。「そろそろ切ろうかと」「んー…もう少しいいんじゃね?」「襟足が跳ねるんです」「なら尚更、もうちょい伸ばした方が跳ねな…

Charge

「そこ座って」「なんですか?」「いいから」唐突な会話で始まり、有無を言わさずソファに座らされた。不思議に思いつつ腰を下ろすと、隣に座ったライアンが俺の膝へ頭を預けて横になる。「…あの?」「んー。違うな」寝たと思ったら起き上がり、今度は俺を自…

涙の味

泣けるようになったな、とふと思う。悔しいとか憎いという感情ではなく、感動したり嬉しくても泣けるのだとライアンが教えてくれた。今だってそうだ。常に付きまとう俺の不安を、さも見えているかのように見つけ出して取り除いてくれる。出来るかは分からな…

起きるまで

※ジャスティスデー前 出社時にアポロンメディア社のエントランスでヴィルギルに出くわしたのは初めてだ。なんせこの人、秘書だからというべきか普通の社員よりかなり早めに出社してるという話を聞いたことがある。そんなにあのオーナー様に尽くして楽しいも…

小さな決意

窓から差し込む太陽の光が眩しいベッドの上で抱きしめられている。それはいいのだが、明らかにライアンは寝ぼけているのだ。その証拠に、ふと力が抜けてはまた込めるを数回繰り返し、更に俺に向かって「ハニー」と口にする。そんな風に呼ばれたことは今まで…

Judge

※一緒に住んでるけど、まだ両片思い ただいま、の声が無いまま開いたリビングへのドアへ目を向けると、今にも倒れそうな彼が居て慌てて駆け寄った。「どこか怪我でも…」尋ねている途中で触れた身体が尋常じゃないくらい熱を持っていることに気付く。「頭ガン…

コンタクト

※コンタクトも使用するヴィルギルの話 アポロンメディアのトイレで洗面台に両手をついて項垂れている体勢の見慣れたジャケット姿を見つけた。「どしたの秘書さん」話しかけるも、顔を上げるどころか返事すらしてくれないことにムっとして、肩に手をかける。…

一緒に

ライアンが出動した後に突然の豪雨が連れてきた雷を聞きながら、コーヒーを淹れたマグカップをテーブルに置き、その前のソファにいるイグアナの横に腰を下ろす。雷が落ちる度に肩が震えそうになるのを堪えるが、指に触れている彼女が微動だにしないのを見て…

midnight

真っ暗な部屋の中、隣の影がベッドヘッドにもたれ、抑え切れてない声が微かに耳に届く。「アンディ?」起き上がり、顔を覗き込もうとするが遮られた。泣いているのだろう。もう何度もこうして夜に泣いて起きているのを知っている。気づかないふりをする時も…

依存

そこは冷たいだろう?と聞かれたことがある。物理的にか、精神的にか。俺はそうは思わなかった。外の世界に比べたら、金属達に囲まれてひんやりとしたこの中にいた方が楽だし落ち着ける。それにこれは俺にしか理解出来ないだろうが、無機質だと思われるこの…

心地よい場所

夜中に目が覚めると腕の中にいるはずの恋人はベッドのどこにも見当たらなくて、ひんやりと冷たいシーツはだいぶ時間が経っていることを意味していた。「…またあそこか」ペタペタと足音を立てながら廊下を進みリビング横のハニー用の室温が調整されている部屋…

リラックスタイム

「マッサージできる?」上半身から湯気を立ち上らせつつ風呂から出てきたライアンが言った。「出来なくはないですが素人ですよ。なんならサービスを呼びましょうか」「いや、いい。アンタにやってもらいたい」ドサっと音を立ててベッドにうつ伏せに倒れこん…

6/1 大阪グラキス無配

「ただいま」「お疲れ様でした。…ゴールデン・ライアン」帰宅して、最初にかける一言は決めていた。世界中の国を渡って、長年ヒーローとして活躍してきた彼の能力が徐々に衰え始めた時から、この日は既に彼の中で想定内だったのだろう。彼はとても穏やかな表…