Regulus

獅子秘書置き場

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ワッフル

駅前に新しい店が出来ているのを見かけた。近づいてショーケースを覗くと、種類が豊富で食べたことのないフレーバーもあり、少しワクワクした気分でいくつかを買って詰めてもらった箱を片手に帰宅すると、遅くなると言って出かけていたはずのアンドリューが…

再会 3

薄っすらと空が白み始めた頃に、ふと目が覚めた。何もしないのに一緒のベッドで眠るライアンの自分より高い体温は素直に気持ちがいい。向かい合って寝顔を見ていると、最後にシュテルンビルトで見た時より年を重ねたことを感じるが、やはり自分よりは若いの…

30日CPチャレンジ 11~20

【奇数ライアン視点・偶数アンドリュー視点】 11-きぐるみを着て大きなライオンの着ぐるみを着て、何も知らない銀髪の彼に近づく。渡そうとする風船を受け取っていいものか戸惑う表情は予想通り。「アンタは特別」ハートの形のそれを押し付けて、獅子の頭を…

30日CPチャレンジ 1~10

【奇数ライアン視点・偶数アンドリュー視点】 1-手をつなぐポケットにも入れず、何かを掴みたいのを諦めるように握ったり開いたりする仕草はきっと無意識なのだろうと、気づかないフリをしていた以前と違い、今は簡単に取ってやれるその手を握りしめて指を絡…

ハーフ 4

「嫌って……駄々っ子かよ。18歳のアンドリューくんよ」口元は笑ってるのに、全く笑っていないライアンの視線が真っ直ぐ突き刺さる。ここにきて初めての子供扱いと、ライアンの纏う雰囲気が変わったのを感じ取り、背筋が凍るような感覚に陥った。「初めてだ?…

ナイトメア

薄く開いたベッドルームのドアの向こうから、微かに声が聞こえた。 「……?」 自分がシャワーに入ってる間に眠ってしまったライアンが、ベッドの上で苦しそうな声を出している。目は瞑っているので、魘されているのだろう。 (悪い夢の時は……起こした方がいい…

ハーフ 3

「ちゃんと全部調べてもらった?」落ち着いたのを見計らってソファに座らされ、ライアンが淹れてくれたカフェオレの入ったマグカップを受け取った。聞いたことのない能力にかかった俺を心配しているのか、ライアンの声が少し鋭いものになる。「病院で全部み…

ハーフ 2

指紋認証で開く玄関を開けて中に入ると、廊下の向こうに見えるリビングに明かりが灯っているのを確認して、後ろ手に鍵を閉めて靴を脱ぐ。帰ってきたことに気付いたであろうライアンがリビングのドアを開ける。「おかえり、遅かった」な、と言った口の形のま…

スイート&ビター

腹減ったなーと言ってみると、作業中のタブレットからこちらを一瞬見て視線を戻す。 スルーはしていないという意思表示のつもりだろうが構ってくれないなら同じだ。 朝起きる時に甘い匂いがしていた、あれはきっとクッキーか何かだ。 朝飯も昼飯も終わったの…

ハーフ

「半分、ですか」病院のベッドの上で目覚めた俺は、聞いた話も鏡に映る自分の姿にすら、すぐには信じられなかった。 出所してライアンのマネージャーになって数年。この国でライアンが契約しているオーナーの会社へ出向いた帰り、何やら騒がしい街中に疑問を…

再会2

俺を買う、しかもこれからの未来ごと買うと言ったライアンの言葉を簡単に信じることの出来ない俺は、ひとまずライアンのバカンスが終わるまで、このホテルの部屋で世話になることになった。一緒に寝て、一緒に食事をして、ショッピングに付き合ったりして、…