Regulus

獅子秘書置き場

ゴールドスミス家

スイート&ビター

腹減ったなーと言ってみると、作業中のタブレットからこちらを一瞬見て視線を戻す。 スルーはしていないという意思表示のつもりだろうが構ってくれないなら同じだ。 朝起きる時に甘い匂いがしていた、あれはきっとクッキーか何かだ。 朝飯も昼飯も終わったの…

mother

とある休日の朝。 「ライアンの家の住所を教えてもらえませんか」いつものようにヨーグルトに色とりどりのフルーツを入れて食べているライアンに切り出す。「実家の?知らなかったっけ」「はい」プレートに残っていたブレッドの最後の一口を食べきって、ライ…

father

レオナが帰ってから数ヵ月後、約1年ぶりにライアンの実家へ来た。 年中気候が穏やかなこの土地の空気は2回目でもやはり気持ちがよく、身体に馴染んでいくのが分かる。「うっわ、なんだこれどした!?」家に入る前に庭を覗いたライアンが大声を上げた。「ア…

sister

「ハーイ、アンドリュー。お久しぶり」到着ロビーで待つアンドリューの前に現れたのは、ライアンの姉レオナ・ゴールドスミス。まるでモデルのようなスタイルとセンスよくコーディネイトされた服で、それはそれは周囲の視線を集めている。「ご無沙汰していま…

grave

ライアンのご家族に挨拶した帰り。たった数日の滞在だったのにとても濃い時間で、ライアンという人間を育んだというのがとても納得のいくご家族だった。夜の機内食も済み、翌朝には到着予定の機内の中で、照明が暗くなり少ししてから隣のライアンに顔を近づ…

Second meeting

親父にハグされた瞬間にアンドリューが泣き出した。俺の部屋に連れてきてベッドに座らせ、ひとしきり泣いて落ち着いたのか呼吸も整ってきたが、泣きはらした目は真っ赤になっている。「…すみません」母さんに渡されたタオルを膝で握りしめ、彼は俯いてそう言…

First meeting

「んー、やっぱここの空気はなんか落ち着くな」 降り立った空港の外へ出るなりライアンが大きく伸びをする。雲1つ無い良い天気だった。特別寒くも暑くもないが、どちらかというと通年暖かい気候だというライアンの生まれ育ったこの国へ、俺は初めて足を踏み…

home

まとまって休みが取れた。基本ヒーローに休みなんてものはないが、現オーナーがえらく気に入ってくれたのもあって、ちょっと旅行でも行ってきたらなんて提案をしてくれたのを2つ返事でOKした。問題はアンディだ。休みっつっても休まねぇアイツのことだか…