Regulus

獅子秘書置き場

もしも話で20題

01:性別が違ったら

「アンディが女だったら?いい女だなーくらいでスルーしてたかも」考えこむこともなく、さらりと言われた言葉に繕った部分は見当たらず、予想していた彼らしい返答そのもの。試すようなことを聞いて悪かったと謝ると「じゃあ反対に俺が女だったら?」と聞かれ、「きっといい女なんだろうな」と答えた。

 

02:外見が反対だったら
派手な外見でお硬そうな中身だと周りが気味悪がるのではと思うのは、もしも話でも想像しにくいからだ。逆に銀髪のこの男は、この容姿で自身に溢れた気質だと怖いものはないんじゃないかと思うくらいには最強だと俺は思う。「…何」じっと見るこちらを睨み返すこの顔は、性格と合っているからこそいい。

 

03:生まれた世界が違ったら
眩しくて華やかな表舞台が似合う彼と、陽のあたらないような場所が落ち着く自分とでは、生きてる世界が違うなと今でも思ったりする。一緒に過ごす時間が長くなるほど境目は薄れていき、今では陽の光に安心感を抱くようになった。生まれる世界が違ったとしても彼には何処かで出会えるような気すらする。

 

04:あれが嘘だったとしたら
一緒にいると甘えて自立出来なくなるからと、頼むからと言われて一度手を離した。その後連絡は無いけど探そうと思えば見つけられるくらいの情報がちらほらと手元に集まるのは、あの時の本音は別にあったんじゃないかと思い始めている。もうそろそろ、会いに行ってもいいだろうか。

 

05:過去に戻れたら
甘えることに慣れたら二度と一人で立てなくなってしまいそうな危機感に襲われて、相手の優しさにつけこんで離れてもらうよう仕向けたのに、彼を忘れられた日が無い。思い出す彼はいつもこちらを照らすような笑顔で。もしあの日に離れなければ、こんなに胸が締め付けられることも無かっただろうか。

 

06:10年後にも一緒にいられたら
10年後どころかその先も一緒にいる気満々な俺と違って、向こうはどうなのかとふと考えた。お互い何があるか、どうなるか分からないし、そんな先のことまで考えたことがないとあっさり返されるかと覚悟と予想と緊張して聞いてみたら「君と同じだ」だと。そんな嬉しいこと言ってくれるようになるとは。

 

07:次の二択から一つ選ぶとしたら
「このままずっと一緒にいるのと、一度離れた後に二度と離されないのとどっちがいい?」彼から投げられた選択肢の結果はどちらも同じもののように思えて、選ぶ意味があまり無いなと笑い返すと、トータルで一緒に過ごす時間に差が出ると真顔で答えられて、更に笑うと割と真剣だったのか拗ねてしまった。

 

08:今日で世界が終わるとしたら
急に世界が今日で終わると言われてもピンとこないだろう。1日で移動出来る距離は限られるし、何をしたいのかもすぐには決められないまま終わってしまうのが想像出来る。ならいっそ何もせず、大事な人をずっと抱きしめたまま、最後の一瞬まで存在を感じられるってのが自分的には正解だと思う。

 

09:あなたの望みが叶ったら
彼の望みが叶ったら、俺は彼以外を見れなくなるのだろうが、それも決して悪くない。そう思うのは、きっとその望みが俺の願いでもあるからだ。それなのにバツが悪そうに、こんなこと本当は言うはずじゃなかったなんて少し拗ねた顔で話す、年下なのに身長もガタイもいい彼を、少し背伸びして抱きしめた。

 

10:あの約束を今も覚えていてくれるなら
彼の世界がまだ狭かった頃。相手にされてると思ってなかったから、賭けのつもりで誘って、半ば一方的に取り付けた約束。期待はせず、あの時と同じように何気ない雰囲気を装って、外へ連れ出した。流れる星の下で「覚えてたのか」と微笑しながら零した彼の横顔に驚かされたのはこちらの方だ。

 

11:世界で二人だけになってしまったら
この星で、あるいは別の場所で、例えば自分達二人しかいない世界があったとして。彼さえいれば満たされるであろう自分は、寂しいと感じることがないのかもしれない。独りではないなら十分過ぎる。そう思えるほどに抱えた独りの時間が重かったことに気付かされた。

 

12:敵同士(味方同士)だったら
あの戦いで俺達はどちらかといえば敵同士だった。けど相手はどこかで俺のことを利用しようと思っていたなんて聞かされたのと、当時こちらが敵対心を持っていなかったことを踏まえると、実は味方だったんじゃないかとすら思えて、なんだか笑えてしまう。最初から気になる存在だったということだ。

 

13:どちらかが死んでしまったら
危険が伴う職種なのは出会う前から知っていて、一緒に過ごすようになった今、その不安は前よりも大きくなった。それをこちらが口にすることは違う気がして言えないが、覚悟はしていると伝えると、寂しそうな顔で感謝の言葉を言われ、やはりこれを伝えるのも間違っていたのかと自分が恨めしくなった

 

14:立場が逆だったら
もし自分があの立場だったら、きっとあそこまでの時間を費やすことは出来なかった。完璧とはいかなかったけれど、あの計画は彼だからこそ出来たのだ。目的があるとはいえ憎むべき相手の傍にいるなんて、考えただけでもぞっとする。それをするために押し殺した感情を、そろそろ解放してやりたい。

 

15:恐れていることが起こったら
あれだけのことをやっておいて現在の心配といえば「君がいなくなったら」ということくらいしかないから笑い話にもならない。自分から距離を取って近づかせないようにしてたのに、いざ踏み込まれて慣れてしまうとこれだ。恐れてることが少しでも遠ざかるように、慎重にそして楽しく日々を過ごしたい。

 

16:このクイズに答えられたら
俺が今何したいか分かる?そう聞くと、目を丸くしてから細くして悩んで固まってしまった。笑ってさらっと適当に返してくれたらいいのに、この真面目な恋人は真剣に考えてくれる。そんな所ももちろん好きだが、いい加減何か言ってくれないと、抱きしめてキスししようとしてたタイミングを逃してしまう。

 

17:あのとき君がいなかったら
あの時、君の意識が目覚めなければ、いや君があの場にいなければ、俺の計画は完遂出来ていたかもしれない。でもあのまま大人しく気絶していてくれれば、全てがうまくいっていたら、俺は今きっとここには居ないだろう。君が目を覚ましたことこそ、俺にとっての救いだったのかもしれない。

 

18:XXするまで出られない部屋に閉じ込められたら
最近この手のもしも話をよく聞く。今なら手を繋ぐのもキスするのも一瞬だろうしその先だって容易いだろうに、恋人じゃない時なら手を繋ぐのすら苦労しそうだなと想像して思わず口が笑みの形になるが、これが相手を本気で嫌いにならないとというなら絶対に出られないだろうと真顔になる。

 

19:約束してくれるなら
口だけだと、形だけのものだと分かっていても、約束を欲しがるようになって弱くなった。悩む俺に、それは良いことだと何度も彼は笑って宥めてくれるのに、その笑顔すら悪いことをしている気分になってしまう自分自身が約束をすることを許してくれない。いつかそれすら許せるようになったら、その時は。

 

20:いつまでもこのままでいられたら
ずっとこのまま、というわけにはいかないと心のどこかで考えてはいる。いつまでヒーローが出来るのか、出来なくなった時の自分の在り方と彼の在り方、二人の在り方。変化はしても今と似たような関係ではありたいと思うし、その時その時で話し合って決めた形であるなら、それもきっと幸せの在り方。


●もしも話で20題
http://toy.ohuda.com/
お題をお借りしました。