Regulus

獅子秘書置き場

ハーフ

ハーフ 4

「嫌って……駄々っ子かよ。18歳のアンドリューくんよ」口元は笑ってるのに、全く笑っていないライアンの視線が真っ直ぐ突き刺さる。ここにきて初めての子供扱いと、ライアンの纏う雰囲気が変わったのを感じ取り、背筋が凍るような感覚に陥った。「初めてだ?…

ハーフ 3

「ちゃんと全部調べてもらった?」落ち着いたのを見計らってソファに座らされ、ライアンが淹れてくれたカフェオレの入ったマグカップを受け取った。聞いたことのない能力にかかった俺を心配しているのか、ライアンの声が少し鋭いものになる。「病院で全部み…

ハーフ 2

指紋認証で開く玄関を開けて中に入ると、廊下の向こうに見えるリビングに明かりが灯っているのを確認して、後ろ手に鍵を閉めて靴を脱ぐ。帰ってきたことに気付いたであろうライアンがリビングのドアを開ける。「おかえり、遅かった」な、と言った口の形のま…

ハーフ

「半分、ですか」病院のベッドの上で目覚めた俺は、聞いた話も鏡に映る自分の姿にすら、すぐには信じられなかった。 出所してライアンのマネージャーになって数年。この国でライアンが契約しているオーナーの会社へ出向いた帰り、何やら騒がしい街中に疑問を…